鯖江のめがね産業

 

鯖江市はメガネ関連の工場が集まった国内生産の約95%を占めている場所です。

 

めがね作りは昔から分業体制が主になっており、パットはパット屋で、メッキ(塗装)はメッキ屋で

というように専門の工場が数多く存在しています。

部品から完成まで一貫で行う工場は数社程度しかありません。

 


松原蝶製作

アセテート生地の油圧成型やプラスチックフレームの鼻パット部分を製作している工場です。

プラスチックフレーム用鼻パットの9割はここで作られているそうです。

 

まず切り出す形の金型をセットして、生地から取れるだけの量を切り出します。

切り抜いた後の生地はすべて廃棄になってしまうそうで、再利用方法を探していると言っていました。(普通のプラスチックより柔らかく、熱に弱いので中々使い道がないそうです)

金型も何種類もあり、各ブランドごとに鼻パットの形も違うので鼻パット製作といっても簡単な仕事ではないんだなと思いました。



切り出した鼻パットをさらに真ん中から2つに切り割って、左右の鼻当て部分になるということです。

 

下は油圧成型のプレス機。平らなアセテート生地に圧力をかけて顔の丸みに合わせることで、柔らかな印象とフレームのしなりでフィット感も増します。

さらに、圧力形成することで長期間使用時の型崩れの軽減や、生地の各箇所での厚みを変化させフレーム強度を向上させたりすることができます。

メガネの形に加工する前に、こんな下準備があるとは思いませんでした。




リペア

メガネフレームの修理専門会社「リペア」です。

全国のメガネ販売店から毎日沢山の修理品が届くそうで、1日の受注量は約700~800本になるそうです!

季節的には夏が一番多くなるとのこと。(汗等で錆びたりする影響か…)

まず届いた修理品をひとつひとつデータ登録をして、その後修理項目ごとに分類し、それぞれの工程に流れていくそうです。

 


多くの修理は、ロウ付け修理になります。

壊れた箇所へ接着に適したロウ材をバーナーで溶かしながら溶接する技術は、熟練の技が必要になります。4~5人ほどでどんどん修理をこなしていきます。

破損した場所ごとに様々な種類のパーツを用意してあり、瞬時に選びだしていく姿はまさに職人です。

今はレーザー溶接という加工技術があり、溶接部分への影響も少なく、短時間で綺麗に仕上げられるということで、受注も増えているとのことです。

こちらの会社では、レーザー溶接機を5台所有しているそうです!


 

ロウ付け後、表面を磨いてメッキが綺麗に付きやすくする為の下処理をします。

メッキ塗装は、各カラーごとまとめてメッキ専門の会社に出すそうです。

モノをつくるよりも直すことの方が手間の掛かることだなと感じます。

元の状態に近づけるのは難しい作業ですが、大切にしていたメガネが再生される喜びをお客様に提供できると思えば、とてもやりがいのある仕事なんだなと思います。

 

 



シャルマン

開発、製造、販売をすべて自社で一貫して行っている会社です。

今まで見てきた工場よりはるかに大きくて広く、さすが眼鏡業界でトップを走るメーカーだなと思います。中には資料館やギャラリーもありました。

現在工場で主に作られているフレームは、自社開発のエクセレンスチタンを用いた「ラインアート」などの商品が中心の様です。かけ心地や強度などが抜群のこちらのフレームは細部まで考えられた設計と多くの工程を経て作られた裏づけのある商品だということが今回の見学でわかりました。

とにかく品質の安定や生産バランスなど、工場全体の運営もよく考えられていると感じました。




最近では、自社開発のチタン加工技術が医療分野でも求められているようで、手術の時に使う小さなはさみなどの道具も開発されているようです。

刃渡り1~2mmを扱う世界は今まで知ることがなかったので、高度な技術に改めて凄いの一言です。



 

今回工場見学に参加して感じたことは、メガネは出来上がるまでに思った以上に手間がかかるという事です。

 

考えてみれば、毎日使用するメガネは直接肌に触れることによる汗や皮脂による金属腐食や、掛けはずしによる金属疲労がおきたり、あらゆるジャンルの中でも ものとして丈夫でなければならない代物の一つだと思います。

なので、丈夫なことが当たり前に位置づいているメガネは、それだけ丁寧につくられるべきものなんだなと感じました。

今ではリーズナブルに買うことのできるメガネですが、金額の差というのは目に見えない物作りの差が表れているのだと実感することができました。

この経験を、お客様にもお伝えできればと考えております。

 



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